冒険家ボブ・リーは、幼少期から培われた大自然への憧れを実現するため、1955年にアフリカへの旅を敢行した。瞬く間にその地の魅力に取りつかれたボブ・リーが1959年にアンゴラで設立したのが、サファリの装備を専門とする「LEE EXPEDITIONS, LTD.」だ。同社は、アフリカやアジアでの探検旅行やスポーツ・ハンティング、撮影旅行などを提供し、大自然へのアテンドする探検会社だった。

ボブ・リーはツアーに参加する客の鞄が、ブッシュを歩き回るのにあまりに不向きであったため、自分でデザインしてアンゴラ・ルアンダの縫製工場で制作し、ツアー客に貸し出した。やがて、それがテント用具一式からライフル、サファリカーまでに至り、ツアー参加者の中で、快適さが評判となった。それを譲ってほしいという人が増え、シーズン終了後に販売して、また新たに作るということを繰り返し、ボブ・リーが企画するツアーの評判はすぐに広がっていった。

「LEE EXPEDITIONS, LTD.」は、高級アウトドア装備品の提供を目的とする「ハンティングワールド」社設立の契機となったモノづくりの礎であるほか、未知なる世界に人々を誘うというブランドの使命が形となった。正にブランドの原点なのだ。