BORNEO CHARITY PROJECT 15th ANNIVERSARY
BORNEO CHARITY PROJECT 15th ANNIVERSARY“命をつなぐ活動”を支援する、チャリティープロジェクト

私たちは、「自然との共生」を大切に考えたボブ・リーの精神を受け継ぎ、
2008年よりボルネオの環境保全活動の支援を開始し、今年で15周年を迎えました。
活動のキーパーソンである認定NPO法人「ボルネオ保全トラスト・ジャパン(BCTJ)」理事で
北海道・旭川市にある旭山動物園の園長として知られる坂東元さんの
インタビューからチャリティープロジェクトの取り組みが何を支え、
どのように未来へとつながっていくのかを探究します。

施設を視察する坂東氏。(撮影:2017年4月)
ゾウが鼻を巻き付けて壊さないよう、
柵の外側にトゲトゲを設置。

 「旭山動物園」がアジアを代表する動物園として世界に知られるようになり、海外からのお客様が増えた一方で私は悩んでいました。当時の日本は、アジアの中でも環境保全意識の途上国。私たちよりもはるかに高い意識を持つ海外の動物園関係者の方々が来てくださるのに、ガイドをすることしかできない。果たして経済効果を生むことが我々の目標だったのかと、現状に強い危機感を抱いていたのです。そして、動物園を辞める事さえ考えていた時期にBCTJ 初代理事長の坪内さんと出会い、ボルネオの野生動物保全活動に参画することを決意しました。

当時、保全に取り組まれていた方々からは、「動物園は動物を“金儲けの道具”にしている」と批判されたこともあります。ですが、私は“命を預かる場所”だからこそ、できることがあると思っていました。人間は頭よりも心で動く生き物。映像でも剥製でもなく、たしかな命が存在する動物園から届けられるものは大きいと考えたのです。だからこそ、動物園を辞めるという選択ではなく、活動を通じて動物たちや環境を救う架け橋となる。そんな想いを持って「ボルネオへの恩返しプロジェクト」を立ち上げました。15年に及ぶ活動で大切だと実感したのは、どんなに小さな一歩でもカタチにしていくこと。

ゾウを一時的に保護・飼育するために建設された
レスキューセンター(撮影:2017年4月)

2013年に指揮した「レスキューセンター」の建設では、森林保護区に戻すためのゾウを一時的に保護・飼育する施設を作ることで、現地の政府も巻き込み、野生動物たちの現状を広く伝えることができました。まずは現状を“見える化” することで気づきを与える。それが少しずつでも行動変容につながれば、良い未来へ向かっていくのです。

 私たちの活動は、多くの方々の支援によって支えられています。賛同してくださった企業によるチャリティーグッズもそのひとつです。この取り組みを通じていただいた寄付金は、施設に保護されたゾウたちのエサ代をはじめ、野生動物を守るさまざまな活動資金に役立てられています。

認定NPO法人 ボルネオ保全トラスト・ジャパン 理事 坂東 元

認定NPO法人 ボルネオ保全トラスト・ジャパン 理事 坂東 元

1961年生まれ、北海道旭川市出身。大学を卒業後、1986 年より獣医として旭山動物園に勤務。動物たちの自然な生態系を“見える化” した「行動展示」など、数々のアイデアの具現化から、施設のデザイン、情報発信までを手がけ、同園を世界的な人気動物園へと押し上げる。2007年にボルネオ保全トラスト・ジャパンの創設者・坪内俊憲氏との出会いを経て、活動に参画。2009年に、旭山動物園園長に就任する。現在は、同園の経営の傍ら、各地での講演やメディア出演などで、動物・環境保全の啓蒙活動にも勤しむ。著書多数。

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