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創設者が目指した「共生」社会
ハンティングワールドの創設者であるボブ・リーは、早くから“自然との共生”を意識してきた人物。大自然への憧れから青年時代にアフリカへと渡り、冒険を繰り返すなかで自然や野生動物は、何らかの保護が必要と考えるようになったのです。
実際に “動物を愛する者こそ真のハンターだ。ハンターにとって動物は人生そのものであり、大切な友。ハンターは中世時代のずっと以前から、国境を越え虐殺から動物たちを守ってきた者だ”と語っています。
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特に当時のアフリカでは無計画なハンティングや密猟事件なども多く、ルールが存在せず動物が狩られ続けてしまうことで、将来的な絶滅危機が予想されていたのです。ボブ・リーはハンティングワールド設立以前の1959年にサファリツアー会社「リー・エクスベディションズ」を興しており、その会社では保護狩猟動物の調査をひとつの事業としていました。その結果、密猟者によって多くの大型動物が殺されている事実を知り、この阻止のためにスポーツ・ハンターたちを招く組織を発足。密猟者たちの仕掛けた罠を取り除き、逆に密猟者たちをガイドとして雇い入れ、限られた数のスポーツ・ハンティングだけを実施することで野生動物の管理に成功をもたらしました。
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ボブ・リーは1965年にハンティングワールドを創設した後も社長職に留まらず、積極的に探検に出掛けています。1980年に敢行したパミール高原探査では、幻と呼ばれる伝説のヤギを発見し、翌年のシベリア国境付近の調査では、その結果を踏まえて中国政府に猟鳥獣類保護政策などを提案しています。まさに自らアウトドアに赴き“自然との共生”を深く探るスタイルを貫いてきた人物。その思想は、現在ハンティングワールドにおいて、多彩なサステイナブル活動の強いモチベーションとなっています。